アクトワン音楽部、作編曲を行っている矢川信二です。

今回のお話は自分が仕事で音楽を作っていて感じることです。




仕事で音楽を作っている場合、ほぼ必ず

「なぜその音楽が必要か」

の理由が発生します。




全ての行動は理由があって行われる、というほどの話でもありませんが。

しかし、少なくない金額を払って音楽が作られることには、それなりの「目的」があることを意味します。



たとえば、活動の看板となるような楽曲が欲しかったり配信やラジオでの何かしらのBGMそれもオリジナル性を持たせるためのものが欲しかったり、など


とくにBGM“Back Ground Music”とつくくらいなので、もちろん「何の」背景の音楽なのかというのがとても重要になってきます。


何のBGMか、どういう状況のBGMか、どういう雰囲気を出したいか。

BGMに限らず、音楽というのは雰囲気づくりという面で大きな意味を持ちます。




基本的には、明るく楽しい雰囲気にしたいのに、マイナーのロックは選びませんし、

激しい戦闘を表現したいのに、明るくポップな楽曲は用いられません。




基本といいましたが、例外もあるものでして、凄惨に人が死んでいくシーンにゆったりとした穏やかな音楽が流れたりするシーンなどもあると思います。

依頼される音楽は、わざわざ依頼される以上求められている「機能」があります。

そしてその「機能」を満たすものを提供することが自分の仕事になります。




商品として提供する音楽は

・どういう要素を満たしていないといけないのか

・どういう要素を入れてはいけないのか

ということを考えて意識していくというのを、あまり言語化はしていませんが、自分は前々から意識していたようには思います。



求められるすべての要素を鑑み、必要なものを全て満たした音楽を作る

ものすごく個人的なノリとしては複雑な連立方程式を解く感覚に近いです。

もちろん、「機能」としての音楽のみを考えるとこれだけで良いのですが、それだけでは面白くないですよね?



自分はさらに

・どのような要素は入れても問題なくアクセントとして機能するのか

ということもここでさらに考えます。



「満たしてなきゃいけない」

「入れてはいけない」

に次ぐ、

「入れてもいい」ことですね。



この辺はけっこう作る側にある程度の自由があることが多いです。



「機能」だけの音楽を求める場合、おそらくは過去に一度もされたことのない史上初の企画でもないなら先例があり使う音楽は先例と似たものさえあれば良いわけです。

先例により、そのような音楽が目的を満たすことは実証済みです。



しかし、機能だけを満たすことを考えていくと、表現に用いられる幅も狭くなりますし、また与える印象も凡庸なものになるかもしれません。

新しく音楽を作る必要のある企画は、紛れもなく新しい企画なわけで、過去のものと音楽に変化がなさすぎてもよくないことが多いでしょう。



もちろん、このアクセントの要素が求められている「機能」そのものに悪影響を与える場合もあります。

そこは気をつけなくてはなりませんね。



音楽に「機能」として問題のない範囲でのアクセントをうまく付け加えることができると、依頼してくださる方だけでなく、さらに実際に商品や企画にかかわるエンドユーザーの方にまで、それとなく、新しさやポジティブな印象を与えることができるかもしれませんね。