Wize Soundの矢川です。






今回はオーケストラについて、シンプルさ、そしてそこから得られるヒントの考察をしようと思います。




オーケストラの人数は最大で100人近くに及びます。

もちろんみんな楽器を持ち、音を鳴らすわけです。



では、その100人が完全に別々のフレーズを同時に演奏するとどのようになるでしょう?



想像するのは容易いと思います。もうわけのわからない状態になりますね。



オーケストラの各パートの役割は、大きく分けると


1,メロディーとハモリ
2,和音
3,リズムパート
4,カウンターフレーズ

といった4つに分かれます。


まずはこういったカテゴリわけがあり、ほとんどの楽器は、他の楽器とのユニゾンハモリを行います。

一つ一つのグループは、かなり似通ったメロディを演奏することになりますね。

音量的にも一つだけで十分 という楽器は、ティンパニトランペットチューバなどの、かなり大きい音が出せる楽器以外にはほとんどないため、
常に同じ種類の楽器と同時に演奏するパートも少なくありません。



オーケストラの編曲を行う際、”明確でない小さい音の背景フレーズを入れることはあまり好ましくない”という考え方もあります。

これはポップスなどの現代の音楽ではあまりメジャーでない考えかもしれません。


かすかに聞こえるバッキングフレーズを入れることで曲全体の厚みを増すというアプローチは、ポップスでは使われがちです。

しかし、オーケストラにおいては、存在するかしないかもはっきりしないようなフレーズを混ぜることは”全体の綺麗さ、明確さを損なう”として、
あまり好まれない方法ではあります。


協奏曲でもないのに、ヴァイオリンが一本だけ別のバッキングフレーズを演奏する、ということはあまりありません。


バッキングフレーズを増やす際は、それでもそのフレーズがはっきりと存在感を持つよう、ヴァイオリンパートがまるまる、あるいはほかのパートも重ねて、そのフレーズの演奏やハモリなどに用いられます



この考え方はなかなか重要であると個人的にはとらえています。





明確な意味を持たない、かすかな音量のフレーズを入れてしまうと、曲全体の見通しの悪さにつながり、マイナスに働いてしまうことは少なくないと思います。

オーケストラは楽器の数が多いこともあり、このようにシンプルにできるところはかなりシンプルになるように考えて構成されていることが多いです。





”あってもなくてもいい”、というものならば、”無い方が良い”

というのは、オーケストラや音楽制作に限らず、作品作りにおいて言えるものかもしれません。





written by Shinji Yakawa(Wize Sound)