皆様! 大変お久しぶりでございます!

スタジオアクトワンにてサウンドエンジニアをしております、山田と申します!

最近は梅雨ですね〜。 本当に嫌になりますね〜。 

まだ気分的なものだけならまだしも、今回の梅雨は実害が。

洗濯物も全部生乾きだし。 髪の毛もくるくるだし。あー。もうやだ。

機材にも良くないんですから…。 湿度だけでも早めに回復してほしいものですね…。



さてさて、気も取りなおして。ラックエフェクター編/(数字クリックで記事に飛べます)に引き続き機材紹介!

今回からはお待たせお待たせ! マイクロフォン編とさせて頂きます!


スタジオアクトワンには、8種類のコンデンサーマイク2種類のダイナミックマイク。重複するものも含めまして、計13本のマイクが有ります。

どこのレコーディングスタジオにも複数種類マイクがあって当然なのですが、あまり音響に触れない人だと「なぜ?」と疑問に思うこともあるでしょう。



お答えしましょう!

…と赤字で打っても、至ってシンプルな理由なんですけどね。

それはズバリ、大味に”マイクロフォン”と言っても、メーカーやモデル(挙句は個体差!)によって個性があるからです。

エンジニアは、この数多あるマイクの特性を把握し、録音対象のキャラクターを判断した上で“どの音源に””どのマイクを”立てるかを判断するのも仕事の内なのです。予算の限り。


例えば、息多め女性には高音に特徴のあるコンデンサーマイク。

例えば、力強いガナリ系男性ボーカリストには中低域にコシのあるコンデンサーマイク。

例えば、パンクバンドシャウト系ボーカリストにはレンジが狭目のダイナミックマイク。

はたまた、繊細なヴァイオリンには逆にウォームでアバウトなチューブマイク

などなど、例を挙げてゆけば果てはありませんが、様々な要因を鑑みた上で色々なマイクをレコーディングに用います。

…と、上記の様な理由で色々な種類を集めるのですね。予算の限り。


さて、有用か無用かわからないプリトークもこんなものにして、スタジオアクトワンにあるマイクの全貌を、2回に分けてどうぞ!


コンデンサーマイク

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【NEUMANN】TLM103 (左)

我らがNEUMANNのコンデンサーマイクです。

知っている人は知っている、お国はドイツ、超ド定番メーカーです。

Uシリーズが有名ですね。逆に何を書けばいいのか迷います。

今の所、スタジオアクトワンのメーンマイクです。 プログラムの詳細が不明なとき、“取り敢えず”立てておいて間違いがない逸品ですね。

特筆すべきはHighの出方。

実にNEUMANNらしい高音の収録のされ方。 キラキラツンツン。

ただイヤミな出方ではなく、しっかりと 且つ 音楽的に出てくれます。


ただ、”ナチュラルか?”と問われると即答できません。

ここからは主観(主聴?)が入って来てしまうのですが、

「自然に録れる」という条件で同価格帯(¥100.000前後)と比較したとき、実は右に出るマイクがあったりなかったり…。

加えて“NEUMANN”というネームブランド。

価格において3倍程の差がありつつ、U87等と同列に語られてしまう事が多いのがまた実にかわいそうなマイクだと思います。

ダイナミックレンジもそこまで広くないです。比較対象が比較対象なのでそりゃそうなのですが。


タラタラと短所ばかり突付いて来ましたが、それを大きくカバーできる長所が。

それが、対象の選ばなさです。

個人的な好みももちろん入ってますが、本当にどの音源にも立てられます。

男女声、アコースティック・ギター、ガット・ギター、二胡、バイオリン、チェロ、太鼓(革が貼ってある楽器)、金物(シンバル類)、ギター/ベースアンプ。

オールマイティ。Almightyです。

耐音圧も含め、ありとあらゆる音源に向けられます。


【Lauten Audio】LA320 VACUUM TUBE (中央)

アメリカ生まれの新進気鋭のブランド、Lauten AudioのBlackシリーズ・真空管マイクです。

単なる懐古趣味でも、流行の追従でもない「高解像度レコーディングが普通になった現代」を極限まで考え抜き、カプセル・回路すべてオリジナル設計されたマイクロフォン。

https://www.minet.jp/brand/lautenaudio/top/

最近氾濫してるリヴァイバブルコピーモデルとは一線置いた、オリジナル・サウンド。

Demoを聴いた時に衝撃を受けました。

中高域は枯れつつ、中低域はまるで磨きに磨いた泥団子のようなツヤと丸み、モダンな印象のハイエンド。

いやー、ハイブリッドです。器用貧乏といえばそれまでですが、後の調整で如何様にもサウンドを作れます。

最近のシャッキリサウンド、We are the worldのあのウォームなサウンド、どちらにしてもデフォルメ色はついてしまいますが、っぽくできる。

なかなか遊べるマイクです。

特筆すべき機能としては、意外と珍しいハイカットスイッチ。

実キャラクターに損分無い程の高高域をカットできます。

これがまた絶妙で素晴らしい!!

結局のところ、モダンなキャラクターは前述したTLM103に軍配が上がるので、
自分は専らヴィンテージ風サウンド専用マイクとなっています。

それでも、コモる事なく抜けてくるので、本当に使えるマイクです。


旅行しようよ/はたなか圭一(https://www.youtube.com/watch?v=5lyVUdJGLYA)

上記の曲などは、LA320(LowCut/HighCut ON)にて収録しています。

【SONTRONICS】STC-2 (右)

さて、金属塊マイクを紹介します。

何よりも重い。Heavy。見事に金属塊なマイクです。

スタンドによっては きちんと各部ホールドしないと普通に落ちてきます。

マイキングを工夫しないと容易に倒れてきます。

しかし実は、アクトワン内のすべてのマイクに置いて、良くも悪くも普遍的な音を録ります。

初心者に優しいマイクで、ダイナミックレンジの狭さがよく働き、見事に”普通”な音にて収録ができるマイクです。

あの素人臭さの原因、ダイナミクスのゆらぎがコンプレッサーなしにて解消できる、今となっては扱いに困る子ですね。

元気系の女性ボーカルになんかはベストかもしれません。


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【LEWITT】LCT240(Legacy) (左)

こちらもスタジオメーンマイク。

昨今、低価格帯マイクのハードルをブチ上げたーカー・LEWITT

低価格帯だけでなく、もちろんプロユースマイクにも注力し、何にしろどのステージでも驚異のコストパフォーマンスを誇るメーカーです。

写真には2本しか載っておりませんが、3本所有しております。

当スタジオが所有しているモデルはすでに販売終了しているモデルになります。(2019/07/23現在)

現行販売している同名品は、販売終了モデルの価格の半分(!)

そのかわり、パッドやローカットのスイッチが無くなり、ホームユースに尖らせたものと思われます。

現行品の仕様は存じ上げませんが、当モデルの最大の特徴、セルフノイズ0。

コンデンサーマイクの仕様上、内部に電流を流し込まなければ、使用できません。

電気的ノイズが乗るのは当然です。だって内部にノイズ源がいるんだもん。

このマイクは、そのノイズを人間の可聴域未満まで落とし、実質としてのセルフノイズ0を実現しています。

加えて、ローからハイまで伸びる比較的フラットな周波数特性、耐音圧も含め、ドラムRecにも安易に持ち込めるマイクです。

そして、何より見た目。

発表当初は本当に”新時代感”が凄まじかったですね。
そして価格を見て安価さに驚くこのルーティンは業界人なら経験あるかも…?

欠点としては、まず特徴のなさ。まだSTC-2のほうがキャラクターはあるかも。

滑らかでもなく、つやがある訳でもなく、スカスカな訳でもなくシャバシャバでもなく…、と、逆にこれが個性なのではないか。

逆に言うと、ポジティブなイコライジングを気負うことなくできます。こういう自由度大好き。

あと、現行品ではないので修理が大変です。

謎の構造上、ダイアフラムを直接拝めません。 壊れたら…。


【RODE】NT-2A (右)

RODE…。 RODEかぁ。正直苦手なんだよなぁ。

NT-1Aが一世を風靡した時代、どうもあのイカニモなハイを死ぬほど聴いて、違うだろ!とか思ったし…。

それでもスタンダードマイクになる可能性もあったし、慣れないとなぁ。

でもやっぱりあのアルミニウムを突っ張ったような高音の出方(?)はどうしても好きになれないなぁ。

そいでNT-2A…。 またしてもRODEか…、どうせ…。

と思っていた時代が僕にもありました。

ところがどっこいこのNT-2Aファットもファット。RODEっぽい高音がエッセンスになるくらい素晴らしく塩梅が取れてるマイクでした!

オマケに指向性切り替え(!)・2系統ローカット・パッド付き。

音的にも、僕が聴いた限りでは、フルテンで男性ボーカルに特化してるマイクだと思います。

コシもコシ。 低音から呻り上げるシャクリ等、これでしか録れないんじゃないかというほどのキャラクター。

意外とカッティング系ギターにも合うかも。 と、エンジニアのおもちゃ的なところもありますね。

縦ノリ、ガナリ、シャウトアップがある男性ボーカル曲なら迷わず立てると思います。

でもやっぱりNT-1AとかNT2000とかは好きじゃないです…。 (NT20000は同価格帯ではトップクラスにナチュラルだとは思います。ハイ以外)


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【MXL】 CR21 Pair / V67N (左/中央左)

お待たせしました。初心者の葛藤の原因、MXL

エントリーマイクを探す際、おすすめリストに高確率で食い込んでくるこのメーカー。

蓋を開ければ、「見た目の安っぽさor音の良さ」 という結構落とし所のない2択を無遠慮に迫ってくるメーカーという印象です。(ド偏見)

今までとは打って変わってスモールダイアフラムのコンデンサーマイクですね。


こういったペンシル型マイクは、その名の通りダイアフラムが小さいので低音が苦手です。

それを逆手にとり、高音域に特化されているので、高音域を邪魔する防風膜は取っ払っちゃってます。(野外収録時のやむを得ない場合を除く)

結果、めっぽう吹かれに弱い性質を持ち合わせています。

すなわち、基本的には声には立てずに、“楽器用マイク”として扱います。


CR21 Pair

ペアマッチされ販売されている2本のマイクです!

僕としては利点なのですが、あまり綿密な音には向かず、

ザ・スタンダードに脚色もなく、実直に拾ってくれます。


意外と中域が得意そうで、例えばアコースティック・ギターに向けた場合、

ホールを避けてマイキングしてもしっかりローの膨らみを拾ってくれたり、

意外と器用な2本だど思います。至ってスタンダードに使えます。


V67N

こちらは1本モノのペンシルマイクです!

カプセル(上部の金属部)を交換することにより、無指向性/単一指向性を切り替えることができたりと。

実は色々と取り回しが効くマイクだったりします。

CR21と比べ、だいぶハイが伸びています。

悪く言えば”安っぽい”高音なのですが、決して作られた高音ではなく

ある種「そこにあった高音を出す」といった、ハイに関してはとても美味しいところを収録してくれるマイクですね。


あるときは アタックありき と割り切ってライドシンバルに立て、パーカッシブに収録

あるときはアコースティック・ギターのネックに向け、フレットノイズ(キュッ等弦と指が擦れる音)やスクラッチ音を目当てに立てたりする事が多いです!

後の編集を踏まえた上で、ヴァイオリンに立ててもいいかも…?



と、本日はここまでとしておきます!

「写真には写ってるけど紹介されてない…。」といったマイクもあり、結構虫食いではありますが、残りはダイナミックマイクですので、そちらはそちらで纏めたく思います!

乞うご期待〜!


サウンドエンジニア・山田 完全趣味企画!

さて、毎度ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

今回はマイクについてお話しました!

前回のエフェクター編よりも、もっとわかりやすく音が変わるモノなので、

…聴き比べしてみたくない…?

自分の声に合うマイクの傾向とか知りたくない…?

そんなあなたに!前回に引き続き!

2019年 8/3(土曜日)18:00〜20:002019年 8/3(土曜日)18:00〜20:00

参加費無料・なんとアクトワン特製資料付き

を決行致します!!(嬉しい)

初心者の方も、”学ぶ”というより”知る”,”楽しむ”ような企画なので、ぜひぜひご参加ください!

また、アクトワン@音楽部! 夏休み特別体験レッスンでもレコーディング体験担当として講師を務めますので、そちらもよろしくお願い申し上げます!

それでは、またお会いしましょう!

Writer / Shigeru Yamada (Wize Sound)