音楽部の矢川です。

音楽を作る上で、その他の場合にも何かを作る上で便利な考え方を今回はご紹介いたします。

クリエイターはものすごくおおざっぱに言うと、具体化して具現化する人です。

作品を作るために「より具体的に」考えることが重要になってきます。

なぜなら、「この瞬間に、この場所で、何が、どうなっているか」をイメージできないと、実際にそこの部分が作れないからです。抽象的な作業というのはありません。作業というのは必ず具体的な手順を踏むものとなります。

 

なので、そのファーストステップとして

「好き」を具体化しよう

というのが今回のテーマになります。

 

これができるようになると、自分が好きなものが作れるようになっていき、作ることが楽しくなっていくと思います。

 

みなさんは何が好きでしょうか?

この記事を見てる人の場合は音楽が好きな方が多いとおもいます。

では、例えば好きな音楽、好きなアニメ、好きな映画、好きな小説、

「どの部分が」「どう」好きでしょうか?

例えば好きなアーティストの曲、好きなアーティストのすべての曲が好きでしょうか?

好きなアニメのすべてのシーンが好きでしょうか?

多分そういう例はあまり多くなく、

「アーティストのこの曲は好きだけど、この曲はあんまり」「このシーンは好きだけど、最初の方がダレててあんま好きじゃないなー」

みたいなのがあると思います。

ここがかなり重要なポイントになってきます。

音楽でいうなら、どの曲のどの部分でどの楽器がどう鳴っているか、どのメロディーがどう響いているところが好きなのかを突き詰めてみましょう。

そうすると、自分がどんなものが好きなのか、そしてどんなものがあまり好きじゃないのかがより具体的に見えてきます。

ジャンルやアーティストで区切ると最初は分かりやすいと思いますが、それだけではまだ大雑把すぎます。

ハードロックが好き、といってもハードロックの中にもいろいろあります。

アップテンポが好きなのかスローが好きなのか。

メロディーラインは憂いを含む抒情的なのが好きなのか、ほとんどメロが強調されない、パーカッシブなボーカルの曲が好きなのか。

ドラムはツインペダルのドコドコしたものが好きなのか、オモテでオープンハイハットを思いっきり叩くミディアムテンポの大味でダイナミックなビートが好きなのか。

みたいにより細かく見ていくことが重要です。

「この曲は激しくてかっこいいと思うけど、電子ドラムのシンバルの音があまり好きじゃない」ってなったら、

じゃあどんなシンバルを自分は好きかを考えてみて、例えばロック系のドラムキットのシンバルだけを使いようにしてみる、など。

「この曲はサウンドの響きが好きだけど、メロがぐっと来ない」

となったら、どのようなメロが来たらもっと自分の好きなものになったのか、などを考えていくといいと思います。

文句を言ってもいいです。自分の「好き」に正直に

ただ、文句を言うだけで終わらないほうがいいですね。それだけだと「じゃあこの手法は使わない」だけで終わってしまい、やり方を狭めるだけになってしまうので。

不満がある場合「ではどう作ればこの不満は発生しないか」を考えると、自分が作るときにプラスに活用できます。

また、

「メロディーが好きな曲集」「ビートに勢いを感じる曲集」みたいなプレイリストなどを用意し、自分が好きなもの同士を比較することで、共通性を見出し、自分が何が好きかを突き詰めていくこともできると思います。

プレイリストはなるべく既存のものでなく、自分で曲を選んでまとめるのがおすすめです。

自分が共通性を感じたなら、その共通性は必ず自分でしっくりくるものが見つけられるはずです。

そうすると、「サビ終わりにキメが入るのが好き」「ラからラへのオクターブ跳躍のメロが好き」「ドラムのビートはあまりキックを連打しないものが好き」などとより具体的な好きなものが出てくると思います。

ここまでくると、好きなものが具体的なので簡単に制作に取り入れることができるようになります。

クリエイターが作るものは、最終的には必ず「具体的」なものになります。

例えば歌詞の初めから10文字目になにが入ってる?みたいなのは既存の曲なら必ず決まっています。

音源はどのタイミングで何がどう鳴るか、が完全に決まっています。

制作は雰囲気じゃ進められません。

どの楽器をどのタイミングでどう鳴らすか、を決定しなくては音源は作れません。

最終的に具体的なものを作るため、自分が何をどう好きかを具体的に理解していくことは大きな力になると思います。

これを読んでくれた方の「好き」が詰まった作品にも触れたいと、自分は思います。

 

Writer / 矢川 信二(Wize Sound)